結局、まだまだガキだったころ、おやじと約束した寝台特急で旅行するとか。
大人になって自分の家庭を持つと旅行する余裕なんかまったくなくて。
お金も時間も。
あれよあれよと10年がすぎ、20年が経ち。
息子がNゲージで見つけてきた北斗星をけん引したDD51もすでに引退してしまった。
今は台湾の田舎で頑張っているらしい。
よくそんなことまで知ってるなぁ。と感心する傍ら。
おやじとの果たされなかった約束を思い出した。
息子と旅行にでも行ってほしかったなどと、いまさらながら思う。
なんて自分は勝手なんだという思いと。
人生は幸せもいっぱいかもしれないけれど。
やはり後悔もいっぱいしている。
悔いのない人生を、というのは祈りだ。
逆に後悔のない人生を送った人間の言葉など、
軽いものはないなどとも思う。
人の苦労を思えない人間が、人の幸せを願えるわけはない。
はたして今の日本に、人のために行われる善行を願う。